ラベンダー、それは世界中で愛されるハーブの女王。
そんなラベンダーの名前の由来を考えたことはありますか?
名前の由来から、古代にさかのぼるラベンダーの歴史が見えてきます。
ラベンダーの名前の由来は2つある?

ラベンダーの名前は、古代のある単語が由来だと言われているのですが…
実は、いまだにその起源ははっきりしないのです。
これから由来と言われる2つの言葉をご紹介していきましょう。
1つ目の由来候補「洗う」
まず、ラベンダーの名前の由来で有名なのは、古代ローマ語の「lavare(ラヴァーレ)」という言葉。
この「lavare」という言葉には「洗う」という意味があります。
「洗う」がラベンダーの名前の起源になった理由
なぜ「洗う」という言葉が起源となったのか、それは古代ローマ時代の入浴文化に理由がありました。
当時のローマ人たちは入浴の際、ラベンダーの花を入浴剤として使用していたと言われているのです。
また、ラベンダーは洗濯の際にも使用され、その香りによる防虫効果も期待されていたようです。
この「洗う」という意味は、ラベンダーの花言葉のひとつ「清潔」にも通じていますよ。
この歴史は「創作」の可能性!?
と、ここまで古代ローマにおけるラベンダーの使用法をご紹介してきましたが…
実は「ラベンダーの花を入浴に使った」という歴史的根拠はないようなんです。
確かに衣服などの匂い消しには使われていたようなのですが、「洗う」が語源というのは一つの説に過ぎないようです。
2つ目の由来候補「青みがかった」
もう一つのラベンダーの名前由来は、古代ラテン語の「livere」です。
これは「青みがかった、青みを帯びた」という意味の言葉。
ラベンダーの色は青みがかっていますしこの由来も充分ありそうですが、まだ根拠はありません。
ラベンダーは古代からどのように使われていたか

いずれにしても、ラベンダーは古代より人々に親しまれていたことがわかりました。
では、実際どのように利用されていたのでしょうか?
意外な「アレ」にも使われていて、驚くかも。
古代エジプトでは「アレ」に使われた!
古代エジプトでも、「あること」にラベンダーは活用されていました。
それは、「ミイラの防腐処理」です。
ミイラを包む布にラベンダーの精油をしみ込ませ、遺体が傷むのを防いだそう。
かの有名なツタンカーメン王の墓からも、ラベンダーの香りが確認されたという記録が残っています。
古代ローマでは戦争に使われた
古代ローマでは、戦争でもラベンダーが利用されていた記録が残っています。
それは、「傷の治療」です。
ラベンダーには「傷を早く治す効果」や「やけどを鎮める効果」があるとされ、重宝されていました。
現在、このラベンダーの効能は実際にあるとの研究結果が出ているそうです。
中世ヨーロッパでは疫病予防に
14世紀、ヨーロッパをはじめ全世界で「ペスト」が大流行しました。
その感染を防ぐため、「ペストマスク」の内側にラベンダーの花を詰め、感染予防をしていたそうです。
ラベンダーには殺菌効果があると信じられていたようですね。
殺菌効果は実際にあるかはわかりませんが、現代では鼻づまりの解消などに良いとされていますよ。
まとめ
ラベンダーの名前の由来は、2つの説がありました。
古代ローマ語の「洗う」が由来とする説、古代ラテン語の「青みがかった」が由来とする説。
この2つとも決定的な根拠はなく、その由来はいまだに謎のままです。
どちらにせよ、古代より人々に親しまれてきたハーブであることは間違いありません。
古代では傷の治療やミイラの防腐剤として、中世ではペストから身を守る予防策として利用されました。